年月日— ２０２４年３月１９日（火）
吟行地— 浅草浅草寺界隈
出席者— 上島カンナ・鏡味味千代・桂小南・桂夏丸・桂南海・桂南なん・桂南馬・雷門小助六・神田松鯉・古今亭駒子・斎須祥子・三遊亭吉馬・山遊亭くま八・三遊亭遊吉・春風亭弁橋・春風亭柳好・昔昔亭桃之助・福良雀
不在投句―三遊亭遊七・桂右團治・桂文治・三遊亭遊之介
句会場　— 浅草演芸場ホール
兼　題 ― 春風亭小柳枝師匠を偲ぶ一句

比田　誠子 選
特　選
◎電波塔その上を行く春かもめ 小助六
◎初花に異国の人の笑顔咲く　 小助六
佳　作
・スカイツリーの景色に馴染み松の芯　 味千代
・膨らんだ桜蕾揺らす三トン車 雀
・花見席咲いてなくとも酒を飲み　 吉馬
・四月馬鹿席譲らるる齢となり 南なん
・ショベルカーの音に紛れてさへづれり 桃之助
・呼吸合はせ咲くきつかけを待つ桜 くま八
・梶棒を降ろし花見る昼休み　 吉馬
・師の教ヘ巧まぬ妾馬春の酒 柳好
・花の名を母と当てあふ春の土手 カンナ
・早蕨やそば屋の徳利寄席がへり 遊之介
・花曇り蹴散らすやうな子らの声 小助六
・たんぽぽや鳩追ふ子供を犬が追ひ　 南なん
・花ぼんぼり揺るる川辺に異邦人 桃之助
・花曇り気にも留めずにスカイツリー　 夏丸
・春うらら思い出話に花が咲き 小助六
・花曇りビルの境目翳り濃し 南海
・春光や日時計のごとスカイツリー　 小南
・幼稚園の花見揃ひの帽子かな　 松鯉
・キッチンカー花見の客の椅子並べ　 祥子
・枝蔭に色づく気配桜花　 雀
・園児らの声響きけり黄水仙 夏丸
・引き抜かるる草にも蕾春の雨　 駒子
・寒桜揺らす目白に枝踊る カンナ
・桜待つ三囲の井戸ひつそりと　 遊七
・誠子来て二人静を探す道 小南
・春寒し犬も服着て土手走る カンナ
・墨堤に桜まつりの幟立つ　 松鯉
・春の雲スカイツリーも背を伸ばし 祥子
・愛誓ふ錠を尻目に春の鳥 味千代
・初席の祥子の顔の無き楽屋 小南
・立ち止まるリバーウオーク花の雲　 南なん

＜春風亭小柳枝師匠を偲ぶ一句＞
◎先達の魂と語らむ花のもと　 松鯉
◎春風が連れて行きたる師匠かな　 遊吉
・彼岸にも梅は咲いたかまだかいな　 南馬
・師の教へ巧まぬ妾馬春の酒 柳好
・稽古のテープ取りいだす春夜かな　 吉馬
・さつそうと梅は咲いたか名調子 右團治
・早蕨やそば屋の徳利寄席帰り 遊之介
・行く春や着流し粋に寄席の風 夏丸
・春風の中に師匠の声を聴く　 弁橋
・淀みなきべらんめえなりし鳥雲に　 味千代
・さやうなら梅咲くころは星となり 文治

眠さうな乳母車の児花三分 誠子

今年初めての駄句だく会は、久しぶりに浅草寺界隈を歩きました。
残念ながら期待していた桜は、隅田川右岸に４～５本膨らみ始めた初花が見受
けられる程度で、まだこれからと言う状態でした。

また今回は、去る１月３１日に永眠されました春風亭小柳枝師匠を偲んで、
追悼句を兼題といたしました。 （誠子 記）