解説・あらすじ(か行)

代り目

酔っ払いの噺。たいてい途中で切ってしまいますが、それではこの題名の意味がわかりません。この噺は、寄席でよく聞くことができます。演者によって演じ方が違うので、見比べるのも一考です。オチは、調子とお銚子の地口。

あらすじ

酔っ払いが帰りがけに車夫をからかう。家へ帰るとおかみさんに酔っ払ってるから寝なさいといわれるが、もう一杯だけ飲んでから寝ると強情を張る。つまみは無いのかということになり、近所のおでん屋へ買いに行かせる。その間にうどん屋が通りかかり、酒の燗を付けさせるが、うどんは要らないと追い返す。おかみさんが帰ってきて、うどん屋が気の毒だと表へ出て呼び戻そうとする。通りがかりの人が「おい、うどん屋、あそこの家で呼んでるぜ」「あそこはいけません、ちょうどチョウシの代り目です。」

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近日息子

与太郎ものではありますが、前座から大真打ちまでが掛ける根多です。与太郎とはいいながら、親の言うことをきちんと聞いてこなすところを見ると、与太郎というよりはおっちょこちょいに近いものがあるのかもしれません。長屋の衆が生きている大家さんに当人の悔やみを言いにいくところが眼目です。もともとは上方落語であったものを三代目三木助師匠が東京へ移しました。

あらすじ

与太郎に、近日開演の芝居を、明日初日といわれて、親父が近日というのは次の日ではなく近いうちにということだと教える。とにかく物事は先に先にと働かなくてはダメだとしかる。与太郎が、親父が首をちょいとひねったのを見て、医者を呼ぶ。医者もどこも悪くないのでおかしいと首をひねると今度は、葬式の手配を全てしてしまう。町内の人が悔やみに来ると、親父は元気なので縁起でもないと怒る。「でもおもてをごらんなさい」「与太郎、これなら町内の人は勘違いするだろう」「でもごらん、忌中の脇に近日と書いてある」

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金明竹

この噺は、もともとふたつの噺をひとつにあわせたものです。前半は『骨皮』という噺、後半が『金明竹』です。『骨皮』は狂言の「骨皮」を落語に直したもので、主人公の与太郎さんが、来客に対し珍妙な受け答えをするところが見ものです。
『金明竹』は上方の商人の使いが早口言葉で伝言を捲し立てるところから、前座の口馴らしのために覚える噺です。この口上を今度はおかみさんが聞き、それを旦那に間違って伝えるところが笑いを誘います。演じる際、この口上がうまくできると、ときにはお客様から中手(拍手)をいただけます。

あらすじ

与太郎が親類の道具屋の店番をしていると、色々なものを借りに客がやってくる。そこで間違いがあり、伯父が訂正に行っている間に今度は上方商人の使いが来る。口上が大阪弁で早く、与太郎も、伯母さんも良く判らない。使いの者が帰ると入れ違いに旦那が帰ってくるが、伯母さんもしどろもどろで埒が明かない。「何かハッキリしたところはないのか」「そういえば古池に飛び込みました」「道具七品を買ってかな」「いいえ、買わず(蛙)でございます」。

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子ほめ

前座噺。寄席では必ずといっていいほど聞くことができます。登場人物は5人程度ですが、常に一対一の会話で成り立っていくので演じやすい噺です。鸚鵡返しなので、あとで間違えるときに、それぞれの違いが出るのも一興です。

あらすじ

熊公が隠居から上手い世辞を教わる。45歳の人を見たら厄そこそこと言って煽てろ、とにかく齢を若く言うのだといわれる。それから友人の家に行き、赤ん坊をほめるのに、「この赤さんの年はいくつで?」「生まれたばかりで一つだよ。」「一つとはお若く見える。どう見てもタダだ。」

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