解説・あらすじ(あ行)

青菜

この噺は、いわゆる「鸚鵡返し」といわれる噺です。旦那が言ったことを聞き、感心した植木屋が、真似をしてしくじるところがおかしみです。旦那の風格を演じるところ、また、それを真似する植木屋の貧相なところを対比させるところが、落語家の腕の見せようです。もともとが上方の根多であり、オチの「弁慶にしておけ」というのも、大阪では人にたかるのが得意な人のことを弁慶といったと理解して聞くと、さらに面白味が増すでしょう。

あらすじ

植木屋が、出入りの家で酒をご馳走になる。菜が好きかと聞かれ、取り寄せようと奥様に言うと「鞍馬より牛若丸が出でまして、その名を九郎判官」「じゃ、義経にしておけ」との隠し言葉を聞き、感心して家に帰る。さっそく真似をしようとするが、かみさんが「その名を九郎判官義経」と全部言ってしまったので、「んー、じゃ、弁慶にしておけ」。

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居酒屋

この噺はもともと、上方落語の煮売り屋を江戸に直したものと言われています。三代目金馬師匠がSPレコードに吹き込んで全国的に有名になりました。場合によっては『ずっこけ』につなげることもあります。小僧さんと職人の掛け合い、またこの職人が徐々に酔っていく様が見ものです。

あらすじ

居酒屋で酔っ払いが小僧をからかいながら飲んでいる。小僧の揚げ足を取り、「ようなものっての一人前もってこい」とか、「いろはのいの字に濁りを打つとどうなる」とか。無理難題の仕舞には「アンコウが鮟鱇鍋になるんだったら番頭で番公鍋をもってこい。」

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うそつき村

大阪の『鉄砲勇助』という噺を江戸に直したものです。前半が『弥次郎』となり、後半が『うそつき村』になったといわれています。残念ながら『弥次郎』の方が人気が有り、『うそつき村』はあまりやり手が居りません。この噺はあまりにも馬鹿馬鹿しい嘘、大きな嘘を聞かせるところが眼目です。嘘らしい嘘、このくらいのことはあるだろうと思わせてはいけないのです。

あらすじ

嘘を自慢にしている男に、うそつき村の鉄砲の弥八さんの嘘はそんなものではないと吹き込む。さっそく嘘比べに出かけるが村人が皆うそつきなので弥八の家が判らない。やっと弥八の子供と出会うが、これがまた大変な嘘つきでこれでは敵わないと逃げ出す。そこへ弥八が帰ってきてこの地球が全て入るような桶を見てきた。それを聞いた子供が「雲を突き抜けるような大きな竹を見たよ」「そんな竹があるものか」「それではその桶のたがに困るだろう」

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大安売り

相撲の本場所が始まると良く高座にかかります。落語に出てくる相撲取りは、背が低かったり、痩せていたり、あまり大成しなさそうな人がチョクチョク出てきます。この噺もそのうちの一つです。当協会でも小柄で細めの金遊師匠がやると爆笑です。

あらすじ

巡業から帰った関取に町内の人が「成績はどうだった」と聞く「勝ったり負けたりでごんす」との答え。初日から順に聞いていくと全部負け。「勝ったり負けたりって言ったじゃないか」「はい、向こうが勝ったり、こちらが負けたり」「そんなにまけるのなら四股名を、大安売りとしたら良かろう」

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