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  • 笑海の独り言

更新日2008年11月11日

ワシは、魚がダイスキだ!
観るのも釣るのもさばくのも食うのもすきだ。
今の時期新聞見てもテレビを視ても出てくるのがサンマの話題だ。
テレビでサカナクンが「キャ~ッ」っと、新鮮なサンマの見分け方
をやっている。肥って口の先と尾ひれの真ん中が黄色いのが新鮮で
美味いんだと。新聞にはサンマ御飯の作り方が載ってる。
サンマサンマ、これはもう今サンマを食わないヤツは非国民と言っ
ているような気さえする。影響されやすいワシはムショウに食いた
くなる。サンマ嗚呼サンマ。
目黒に出かけた殿様はこんな気持ちだったろう。
イヤ、食いたいと思った時に自由に食える立場でなかった分その思い
はもっと強いかもしれない。それはたとえるならば叶わぬ恋に悶々と
する中学2年男子の秋の夜。
まっ、ワシは自由な庶民なのでサンマ御飯を作ることにした。
材料はサンマ、米、コボウ、味付けは市販の汁の元、以上。
米だけは先日玉川スミお師匠様にいただいたのがある。後はサンマと
コボウ。サイフをポケットに突っ込み近所のスーパーへ、途中大家さん
に足止めをくらう。

この大家さんの話しの永いこと、話しの内容なんかサンマが気になって
まったく聞いてないのに普段よっぽど話し相手がいないのかなかなか
解放してもらえずやっと自由になった時には歳を一つ重ねたかと思った
くらい。
さて、スーパーに着き鮮魚コーナーへ、遠巻きにサンマの発泡スチロール
を確認!が、…サンマが、無い!いや、正確には三本しかない!
一瞬ひるんだ。
ソレがいけなかった。一瞬の隙をついてワシとサンマの間にひとりの主婦
がスッと割ってはいった。
まっ、まさか!そのサンマ全部もっていかないよね~!
…ほんの数秒前には確かにそこにあったのに…、
まるで勝ちほこったかのように立ち去る主婦の背中をボーゼンと見送る
ワシの頭から毛根着きの短い毛が抜けるのがわかった。
しばし、ボーゼン、サンマはもうない。しかし、ソコは都会の良いところ、
近くにもう一軒スーパーマーケットがある。
気をとりなおして2軒目の店へ、ガッ!ここも売り切れ!
なっ、なんだっ!
ご近所の方々皆同じサンマ番組をみてたか!皆同じ思考回路か!
NO~サンマァァァァ~!
こうなったらもうしょうがない。サンマは諦める。
兎に角、こうなったら青魚ならなんでもよかった。
ワシはターゲットを替えた文化サバロックオン!素早く文化サバを
ビニール袋に入れてレジへ向かう。
う~魚魚さかな~、サカナをたべ~るど~。レジに着いたお会計っ!
ポケットからサイフを取り出し払おうとしたら…………ゼニが無ぇ。

またひとつ毛根が抜けた。

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